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Blog 匠と匠の嫁のひとりごと

匠の暮らしの豆知識5

2013.07.03

最近の住宅から”床の間”が消えているのをしってますか?

和室もない住宅もある時代ですから 床の間って何?って思われる人もいるかもしれません。

床の間の意味と価値について 少しだけ見直してみませんか?

「床の間」って何?

 和室の間の一隅が、一段高くなり「掛け軸」や「飾りの置物」や「生花」を飾ったりするところ。正しくは、「床(とこ)」で、「床の間」は俗称とされるのです。

 そして、その「床の間」は、近世初期の書院造りに取り入れられた「主君の座」。その場所は、聖なる空間であり「ハレ」の場でもあり、そして、その人の権威をあらわす場であったと言われてます。

 「とこ」という日本語は、頑丈でビクともない、絶対に変わらないモノのこと。「永遠」という意味を持つ言葉なのです。家をつくる際に、ゆかを張ったり、畳を敷いたりしますが、その中で、絶対に安全で抜けたりしない一隅が「床の間」である。だからこそ 昔のお殿様はそこに座り、将軍になると 床の間は、一段と高くさらに豪華に造られていたのです。一家の求心力や、一族が絶えることなく 永久に続くことの象徴「床の間」であり、「ゆか」の一部に「とこ」を置くことで、建物全体を統率する秩序を与えたといわれております。

 今の時代にとって、「床の間」は、「もったいない」スペースということしかなりません。だから、今の時代から「床の間」は、消えつつあるのでしょう。しかし、今でも一戸建ての多くの家には、床の間があり、家の中の最上の席を聖なる空間として、一家の精神の拠り所として生活していた時代の心を反映したものと言って良いのでしょう。

 今の時代、雑多のものがあふれがちな家の中で、床の間だけは余白のある空間。そして、その余白に 清浄な空気が流れていくような気もします。美しく整えられた床の間に 神棚にも似た雰囲気があるのは そんな理由からなんでしょうか?

   現在の暮らしの空間は、昔に比べて狭くなっています。「床の間なんて無駄なスペースだ」という考え方もありますが、狭い家の中にこそ、たとえ小さな床の間のような空間を!そして、その床の間は聖なる空間であり、家の中心となる空間が 必要な気がするのはワタシだけでしょうか?

 確かに限られた居住空間のスペースしか持つことが出来ないですが、その気になれば、現在のくらしだからこそ「床の間」のような聖なる空間をつくることが必要なのかもしれません。日本人の を 伝統を 受け継いでいけるのもワタシ達 日本人の特権のような気がします。今もう一度「床の間」をとおして見直してみるのはどうでしょう??